シャルドネは、地球上のあらゆるワイン産地で栽培されている品種ですが、ブドウが育まれるテロワールによって、そのスタイルは見事に変化します。
アルゼンチンのシャルドネは、温暖な気候と冷涼な気候の両極端な産地の間で、トロピカルなものから複雑でニュアンスに富んだものまで実に様々なスタイルのワインが形成されます。
今月のワインは、白ワイン生産における小さな革命が進行しつつある、カサレナのシャルドネをご紹介します。
◇ シングルヴィンヤード オーウェン シャルドネ シャルドネ100% フレンチオーク(新樽100%)で12ヶ月
以前、カサレナ4つのシングルヴィンヤードの内、マルベックを植えている3つの畑をご紹介しましたが、残りの1つがこのオーウェン畑です。石灰岩土壌のミネラル豊富な所にシャルドネが植えられています。シャルドネ100%の新樽フレンチオークで12ヶ月寝かされています。
外観は美しい、やや淡いレモンイエロー。輝きがとてもあります。香りはミネラル感と共に白い花、マイヤーオレンジの様な柑橘系、フレッシュなリンゴ、ラフランス、少しハーブのニュアンスもあり、温度が上がるとトロピカルフルーツのパイナップル、ココナッツミルク、上品なバニラを感じます。
味わいはミネラルと果実味、酸味が心地よく、クリーミーなボリュームの後、若干の白コショウのスパイシーさが余韻に残ります。
アルゼンチンというと前菜もお肉のイメージですが、オーウェンシャルドネは、魚介類との相性も良いようです。帆立とサーモンのセビーチェとも相乗し、添えられているイタリアンパセリやパクチーとも反発せず、包み込む懐の深さがあります。
魚屋さんの店先に鮎が出始めました。鮎の塩焼きには蓼酢が欠かせませんが、鮎は勿論、蓼酢ともオーエンは合いました。春先であれば、蕗の薹、タラの芽、こごみといった山菜の天ぷらを塩で頂けば、ほろ苦さとミネラル感にオーウェンが寄り添います。
冬には生牡蠣と合わせてみたいと思います。
ブルゴーニュ型グラスで果実味と酸味を美しく引き出して、10℃位で召し上がって下さい。
供出温度:10℃ ブルゴーニュ型グラス