世界で8番目に広い国、アルゼンチン。その国土面積は、日本の約7.5倍にも及びます。極上のワインや多彩な農作物、さらには豊かなエネルギー資源など、私たちの暮らしを支えるさまざまな恵みを生み出してきた土地です。しかし、アルゼンチンの魅力はそれだけではありません。実はこの国、世界有数の「恐竜大国」でもあり、地球の歴史を書き換えるような発見が、今なお次々と生まれているのです。アルゼンチンの豊かさを、少し違った角度から覗いてみませんか。
2026年1月、南部パタゴニア地方で、全長約10メートルに達する新種の恐竜の化石が発見されました。実はアルゼンチンは、古生物学者にとって“聖地”とも呼ばれる場所。広大で地質的に多様な大地から、固有性の高い恐竜化石がほぼ毎年のように見つかっています。
地球史上最大級とされる恐竜も、いずれもアルゼンチンで発見されています。ひとつは推定全長30〜35メートルのアルゼンチノサウルス、もうひとつは2014年に発見された比較的新しい恐竜、パタゴティタン(推定全長約37メートル)です。いずれも体重は60〜70トンとされ、これはアフリカゾウ約11〜12頭分に相当します。こうした恐竜の“巨大化”は、当時のアルゼンチンの大地がいかに豊かだったかを物語る証拠ともいえるでしょう。
北西部に位置するイスチグアラスト州立公園(通称「月の谷」)は、世界遺産にも登録されている特別な場所です。ここでは、爬虫類から恐竜へと進化していく過程を、連続した地層として一度に観察することができます。これは世界でも類を見ない特徴です。
約2億3000万年前、恐竜史の“最初のページ”を飾るエオラプトルやヘレラサウルスの化石も、この地で発見されました。乾燥した気候のおかげで、骨格がばらばらにならず、ほぼ完全な状態で見つかる例も多く、「進化のタイムカプセル」と称される所以となっています。
こうしたアルゼンチンの恐竜研究の成果を、現代に体感できる場所のひとつが、ブエノスアイレスにあるベルナルディーノ・リバダビア自然科学博物館(Museo Argentino de Ciencias Naturales “Bernardino Rivadavia”)です。日本ではなかなか目にすることのない大型恐竜の骨格標本や精巧なレプリカが展示され、恐竜大国アルゼンチンのスケールを実感できます。今年1月に発見された新種恐竜に関する最新展示もあり、この国の奥深さを新たな視点から再発見できるでしょう。なお、開館時間は14時からと、日本の一般的な博物館とは大きく異なるため、訪問の際は注意が必要です。