私がパタゴニアを訪れたとき、最も心を奪われたことの一つが、まるで時の流れが止まったかのようなブドウ畑との出会いでした。リオ・ネグロ州のアルト・ヴァジェには、今も古いブドウの樹と、かつてアルゼンチンのブドウ栽培において非常に重要な存在でありながら、年月とともに忘れられていった品種が残されています。セミヨンは、おそらくその最も象徴的な例の一つです。私は以前から、生物学的熟成において、フロールの膜がワインの「肉」の一部をゆっくりと削ぎ落とし、その「骨格」を浮かび上がらせていく様子に強く惹かれてきました。しかし、その変化が起こるためには時間が必要です。少なくとも3年を経なければ、この変容は生まれないのだと理解しました。そして、そこに私たちが求めていたものが現れます。
緊張感、ミネラル感、そして塩味。
それが「セミヨン・デ・フロール 2022」です。3年以上にわたる生物学的熟成を通して、パタゴニアに残る古いブドウ畑を、私たちなりに表現したワインです。
〜マティアス・リッチテリ〜