アルゼンチンワインの約7割を生産するメンドーサは、年間約300日もの晴天に恵まれた地域です。日照量が非常に豊富で、大陸性気候による四季の移ろいがありながら、降雨はごくわずかで乾燥しています。この気候は、ぶどうの健やかな成長を促し、湿気を抑えることで病害リスクを最小限にとどめる理想的な環境を提供しています。
西には壮大なアンデス山脈がそびえ、その最高峰であり南北アメリカ大陸全体でも最も高いアコンカグア山がメンドーサ州に位置します。この山々の標高や多様な土壌構造、さらには春の雪解け水が、卓越したワインを生み出すための重要な要素となっています。
また、アンデス山脈から吹き下ろすゾンダ風は、太平洋側から流れ込む暖かく乾燥した風で、特に冬に頻繁に発生します。この風が数時間で気温を最大20度も上昇させることがあり、真冬でも暖かい気候を作り出します。この現象はぶどう栽培に理想的な条件をもたらし、メンドーサの気候特性の一端を担っています。
さらに、昼夜の温度差が平均15度に達する顕著な気温振幅は、ぶどうに豊かなタンニンを形成し、酸味や自然な香りを際立たせる重要な要因です。
畑の標高は海抜数百メートルから3千メートルを超えるものまで多岐にわたり、ぶどうの品種に応じた最適な栽培地を選ぶことが可能です。このため、メンドーサでは多種多様なワインが生産され、世界中の愛好家を魅了しています。さらに、灌漑技術を駆使して、ぶどうの成長状態を細やかに管理することで、高品質なワインの安定した生産が可能になっています。
このように、メンドーサの恵まれた気候と土壌条件は、国際的に高い評価を受けるワイン生産を支える基盤となっています。